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不動産取引の流れ − 購入
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4. 売買契約の締結(各条項の解説・あなたを救う条項)

 1. 売買の目的物及び代金

本物件の売買に関して当事者間の基本的合意を表明する条項です。

 2. 手付金

不動産取引は高額なため買主の安易な翻意を防ぐためにも手付金を売主に支払うことが一般的です。手付金の額は売買代金の20%以内が多く、特に売主が宅建業者の場合は下記の額を超えると売主は保全措置を講じなければなりません。

売主が宅建業者

未完成物件
売買代金の5%を超える。または1,000万円を超える場合
完成物件
売買代金の10%を超える。または1,000万円を超える場合

上記の額を超える手付金を支払う場合は、売主は手付金を保全するために保証会社と保証委託契約を結ばなければならず、手続きが煩雑で費用も掛かるためほとんどの場合で、上記以内の手付金としているのが現状です。

 3. 売買対象面積(実測売買か公簿売買か。土地・土地付建物契約の場合)

土地部分の売買対象面積を確定させる方法として実測売買と公簿売買(登記簿売買)があります。実測売買は契約の時点で実測面積が判っていれば問題ないのですが、実測図などが無く判らない場合は暫定的に登記簿上の面積で契約しておいて、後に実測面積が測量によって確定したらその差を清算する方法です。それに対して公簿売買(登記簿売買)は、登記簿上の面積を契約時に取決めて、例え後日実測面積と差異が生じたとしても清算しない方法です。

登記簿面積と実測面積に多少の違いがあるのは一般的な事となっていますので清算業務の煩わしさから公簿売買が多く見受けられますが、高価な財産を買うのですから実測売買にするべきでしょう。この場合は、次の項目を参照してください。

 4. 境界の明示及び実測図の作成(実測売買の場合)

売主に対し、隣地との境界を明示し実測図作成を義務付ける条文が「境界の明示及び実測図の作成」です。公簿売買の場合でも売主は境界を買主に対して明示しなければなりませんが、それに加えて測量士や土地家屋調査士に実測図を作成してもらい隣地所有者全員の境界立会承諾印をもらった「確定実測図」が実測面積のよりどころとなるのです。道路等の公有地との境界について官民査定を受け、その境界を確定することも基本的には民民の確定作業と同じですが、お役所仕事なので相当日数を要します。

 5. 売買対象面積(マンション等の区分所有建物の場合)

マンション等の区分所有建物の売買においては建物の敷地及び専有部分について売買のために再測量を行うことはまずありえません。買主も購入に際して土地の持分というよりも専有部分の間取りや住環境にて判断するので、ほとんどが公簿(登記簿)売買となっています。マンションの公簿(登記簿)面積は内のり面積ですのでパンフレットの面積(壁芯面積)より少なくなります。区分所有法では原則として内のり面積によることとされています。

 6. 引渡等

目的物件の引渡し時期を定めているのと同時に買主の所有権行使を阻害する一切の負担を除去抹消することを定めています。

極端な話、どのような権利関係が対象物件に設定されていたとしても、売主は残代金支払の日に残代金と引換えに負担を除去抹消し、買主の完全な所有権を妨げなければ良いのです。通常、売主が銀行ローンを借りていて抵当権が設定されている場合などは買主の残代金支払をもって売主は銀行に返済し、引換えに抵当権の抹消書類を売主は受取り、それを買主(実際は買主側の司法書士)に渡して抵当権の抹消と所有権移転申請を同時に行うのです。たまに、「心配だから売主は事前に抵当権を抹消しておいてくれ」などと言う買主がおられますが、余程理解あって手持ち資金に余裕がある売主でなければ承諾しないでしょう。

上記のほか、現実に物件を残置物のない状態で引渡してもらうことも肝心です。建物がある場合やマンション等では鍵の引渡しが引渡しとなりますが、代金決済の前に売主とともに物件に赴き確認しましょう。

 7. 所有権移転時期

所有権移転の時期を買主が売買代金全額を支払ったときと定めた条項です。民法では当事者間の意思表示にて所有権が移転される、すなわち売買契約成立時に移転するものと考えられています。しかしながら、不動産取引では代金全額を払っていないのに(契約成立時では手付金しか払っていない)所有権が買主に移転するという考えはなじまないので、民法の原則と異なる取り扱いをすることをこの条項で明らかにしています。

 8. 印紙代の負担

売買契約書には代金に応じた収入印紙を貼付することが義務付けられています。その負担割合を定めています。蛇足ですが、印紙が貼られていない売買契約書は無効ということはまったくありません。印紙税法違反なだけです。また、印紙には再使用を防ぐため消印をするよう規定されています。

 9. 公租公課・収益の帰属・各種使用料等の分担

本物件に賦課される公租公課の負担区分とその起算日、清算の時期について定めたものです。収益・各種使用料についても清算方法について定めています。

公租公課は固定資産税・都市計画税を指します。首都圏では1月1日を起算日として残代金決済日(例7月1日)の前日(6月30日)までの181日分が売主の負担、7月1日から12月31日までの184日分が買主の負担となり日数で按分します。

収益は投資用物件などの場合には物件から上がってくる賃料・管理費等です。各種使用料はマンション等での管理費・共益費・修繕積立金をいいます。また、電気・ガス・水道料金等は個別に精算した方がスッキリします。

 10. 手付解除

契約の相手方が履行に着手するまでの間は、買主は手付金を放棄することによって(手付流し)、売主は手付金を倍返し(手付倍返し)することにより契約の解除が出来ることを定めた条項です。手付解除には買主は既に手付金を売主に提供しているから手付解除の意思表示をすれば足りますが、売主が手付解除をするときには現実に手付金の倍額を買主に提供する必要があります。また、手付解除に売主・買主とも特別の理由は必要ありません。(気が変わったでもよい)

「履行に着手」という分かりづらい言い回しが登場しますが、売主側の履行着手の代表例として所有権移転の仮登記申請、売却を前提とした分筆登記申請等があります。

買主側としては中間金の支払です。「履行に着手」という言い方にはこれまで着手時期をめぐって紛争が多発していますので、解除期限を何月何日までと具体的に決めてしまった方が良いでしょう。

 11. 引渡し前の滅失・毀損(キソン)

本物件が契約後引渡しまでの間に天災地変、売主買主いずれの責任でもない理由による滅失・毀損した場合の売主の修復義務および当事者の契約解除権について定めています。

 12. 契約違反による解除

契約違反があった場合、売主・買主双方に契約解除の権利があることを定めています。

ここで注意したいのは、相当の期間を定めて相手方に催告しなければならないこと。すなわち相手が違法な契約違反をしたからといって即時契約解除できるわけではなく相当の期間を置かなければなりません。(例えば、相手に対して内容証明郵便で「本状到着後何日以内に履行しない場合は契約を解除します。」といった具合)また、本条項と手付解除は並存しません。(売主が違約した場合は受領済みの手付金を返還して、違約金を支払う。買主が違約した場合は、既に手付金として支払っている額を差し引いた残額を支払う)

 13. 損害賠償額の予定

契約違反による解除があった場合、違反をしたものに対しその相手側は損害賠償の請求が出来ます。青天井になるのを避けるためにあらかじめ売買代金の20%に定めています。損害額が賠償額を上回っても下回っても請求できる金額は代金の20%です。

 14. 融資利用の場合(ローン条項ともローン特約ともいう)

買主が融資を利用する売買契約で、買主の融資が承認されなかった場合の措置について定めた条項です。不動産を取得するに当たって、もっとも身近な条項ですのでよく理解してください。不動産購入の際は、買主が金融機関などから資金を借りて購入代金の一部を払うことが一般的となっています。万一融資が受けられなかったり、融資金額を減額されたりした場合には、代金の支払が出来なくなってしまい、買主の債務不履行となります。このような状態になるのを防ぐため、融資の承諾が当初の予定通り得られなかった場合は買主保護の観点から買主に売買契約の解除権を認めたものです。

但し、通常は融資承認が得られない場合の契約解除期限を定めます。その期限内であれば融資が得られないことを原因として買主は契約解除が出来ます。よって、本条項で契約解除となった場合は、手付解除や契約違反による解除は勿論適用されません。(白紙解約となります)

反面、ローン条項期間中は、売主の立場は非常に不安定な状態に置かれるのと同時に買主の翻意による条項の悪用(融資が承認されないよう故意に妨げる行為、ローンこわし)が懸念されます。そこで、買主は融資の成立に向けて速やかに必要書類を金融機関へ提出し、虚偽の申告などをしないよう定めています。買主がその努力義務に違反したことが判明した場合は、本条項による解約は否定されます。

 また、融資承認が得られない場合に、自動的に売買契約が解除となるわけではなく買主が本条項による契約解除期限内に解除権を行使してはじめて契約解除となるので、融資が受けられないからといって放っておくと、期限が過ぎてしまって思わぬ不利益を被ることがあるので、注意してください。解除の際は必ず書面で行いましょう。

 15. 瑕疵担保責任

瑕疵とはキズのことです。キズといっても「目的物が通常有すべき品質・性能を欠くこと」をいいます。買主は購入した物件に「隠れたる瑕疵」があった場合、損害賠償請求権と契約の解除権が認められています。「隠れたる瑕疵」とは買主が取引上要求される程度の注意をもってしても発見できなかった瑕疵とされています。買主が知っていれば「隠れたる瑕疵」とはなりません。また、その瑕疵が契約時に既に存在していたことが必要であり、契約後に生じた瑕疵は対象になりません。

瑕疵の種類としては下記のものが代表的です。

・ 雨漏り、地盤沈下、主要構造部の欠陥
・ 接道義務違反等の公法上の欠陥
・ 自殺・他殺等の心理的瑕疵
・ 嫌悪施設、暴力団事務所、隣地建築計画など

民法では買主が瑕疵の存在を発見してから1年以内と規定しています。この場合、10年後に瑕疵が発見されても売主が損害賠償責任を負わなければならないのは酷であるため、権利行使期限を下記のように定めるようになっています。

中古住宅の場合
・ 物件引渡し後1年間
・ 売主が宅建業者の場合は、物件引渡し後最低2年間

新築住宅の場合(売主が宅建業者)
・ 建物全部について2年間
・ 3年目以降10年目までは住宅の構造上主要な部分

 16. 諸規定の承継

管理や環境の維持の必要上、売主が負担している規約等がある場合には、売主は買主に継承させ、買主はこれを引継ぐ義務を定めたものです。これらは建築協定や管理規約等を指します。

 17. 管轄裁判所

紛争が生じた場合の裁判所をどこにするかを取り決めておきます。目的物件の所在地を管轄する裁判所とすることが多いです。

 18. 協議事項

予測の出来ない事態が発生した場合には、当事者間で誠意を持って話し合うよう定めています。

 19. 特約条項

上記のどの条項にも該当しない約定を、当事者間で取り決める際に記載します。

土地を更地にして引渡す場合や、目的物件の被担保債権額が売買価格を上回る場合の抵当権等抹消の停止条件、買換えの特約等を記載します。

 
 
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