朽廃とは建物が朽ち果てて住める状態ではなくなることを指します。消防署からの指導がある場合などが朽廃です。旧法では朽廃による滅失は期間満了前でも借地権が消滅するとしています。よって平成4年8月以前に結ばれた旧法による借地権は建物の朽廃により消滅してしまいます。(但し、期間が契約により定められている場合は、建物の朽廃により借地権は消滅しません)
火災や地震で建物が滅失した場合、旧法では借地人は自由に建物を再築することができます。木造(非堅固)の場合は滅失したときから20年、コンクリート造(堅固)の場合は30年自動的に残存期間が延長されます。
しかし、新法で普通借地権契約をした場合は次のようになります。
借地期間満了前に建物が滅失したら
地主の再建築に関する承諾ありの場合・・・承諾日か建築日のいずれか早い日から20年。
承諾なしの場合・・・当初の契約による残存期間の満了まで。
但し、借地人が再建築の承諾を求めたにもかかわらず、地主が2ヶ月以内に異議を申し出なかった場合は承諾があったものとみなされます。
更新後に建物が滅失したら
借地人が地主の承諾を得ないで残存期間を超えて使用できるような建物を再築した時は、地主は契約を終了して借地人に明渡しを求めることが出来るようになりました。但し、再築するにあたり、借地人にやむをえない事情があるにもかかわらず、地主が承諾をしないときは、借地人は裁判所に再築の許可を求めることができます。
火災や地震で建物が滅失の場合、次のような事項を掲示しなければなりません。
1. 滅失した建物の表示(建物の登記内容)
2. 建物が滅失した年月日
3. 新たに建物を建築する予定であること
上記の事項を立て札に記載してその土地の見やすいところに掲示しておけば焼失又は倒壊した日より2年間は建物登記が無効とならず、借地権の効力が維持される事となりました。旧法でも滅失の場合は同じ扱いです。
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