不動産を買う際に気を付けなければならないのは「翻意」です。
「もう二度と出ない物件です」「次のお客様が待っています」と言われて、当初は乗り気であったのに日を追うごとに買う意欲が薄れることはあります。もう一度冷静に考えてみましょう。回りの意見が否定的であることが原因で買う気が失せてきた場合などは、特に物件を客観的に判断しましょう。回りの否定的な意見の大半は物件を見ずに言っている事が多いのです。
「翻意」にはタイミングがあります。原則的に契約前であれば何時気が変わって、買わないと言ってもかまいません。しかし、出来れば買付証明書(買付証明書の項参照)を出す前に決めたいものです。買付証明書を出した後でも構わないのですが、一応、買付証明書の内容次第では、売主も契約に向かって準備を開始するわけです。関係者に迷惑を掛けないためにも、買付証明書の提出までに決めましょう。
最悪なのは、契約後にどうしても止めたくなった場合です。定められた期間内に手付金を放棄すれば契約を解除することは出来ます。ローン条件付の場合、必要書類を銀行に提出しないでローンが通らなかったことにすること(ローンこわし)などが、過去にありました。この為、後で詳しく触れますが、必要書類を銀行に提出しなかった場合、現在の契約書では買主の契約違反となり、手付金が戻らないばかりか違約金を売主に払わなければならなくなります。このような事態を避けるためにも契約前の出来るだけ早い段階で買う意思がない旨、相手方へ伝えるべきです。
契約後の「翻意」は高くつきます。
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